Tran Thi Minh Phuong

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Abstract

要約. 本稿は日本語における形式名詞「の」「こと」について言及したものである。筆者は6冊の初級教科書及び2冊の文法解説書を研究対象にして、「の」「こと」の扱い方に関する考察を行った。考察の結果としては、教科書及び文法解説書の文型の中で、「の」しか使われていないと記述されているが、日本語母語話者の言語使用実態では、「こと」にも使われている(ことを見る)。また、「のに使う/のにかかる」の文型は初級教科書及び文法解説書に記述されているが、実際には日本語母語話者の言語使用実態で使われていないということが明らかになった。それで、今後の課題として、教科書及び文法解説書に記述されている内容には、もう一度深く考察する必要があると考える。

キーワード:形式名詞、初級教科書、 日本語母語話者の言語使用実態、コーパス、 日本語学習者の言語使用.